文献詳細
文献概要
特集 手術と出血対策Ⅰ
食道出血の対策—食道静脈瘤出血の治療について
著者: 赤倉一郎1 渡辺寛1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室
ページ範囲:P.207 - P.212
文献購入ページに移動はじめに
食道出血は消化管出血の中ではその頻度は胃・十二指腸出血に比べ低率であるが,その対策の点では最も慎重な配慮を要するものの一つである.食道出血を来たす食道疾患は食道静脈瘤,食道炎,食道潰瘍,食道癌,食道憩室等がある.これらの疾患の中で,臨床的に最も問題となる食道出血は食道静脈瘤からの出血である.すなわち,多くが肝硬変症を伴つている食道静脈瘤からの出血は大出血を来たし,第1表のごとくその死亡率は極めて高く,敏速なしかも適切な処置が必要である.従つて今回は食道出血中この食道静脈瘤出血の対策について,われわれの若干の経験と文献的考察をもとに記述したい.
食道出血は消化管出血の中ではその頻度は胃・十二指腸出血に比べ低率であるが,その対策の点では最も慎重な配慮を要するものの一つである.食道出血を来たす食道疾患は食道静脈瘤,食道炎,食道潰瘍,食道癌,食道憩室等がある.これらの疾患の中で,臨床的に最も問題となる食道出血は食道静脈瘤からの出血である.すなわち,多くが肝硬変症を伴つている食道静脈瘤からの出血は大出血を来たし,第1表のごとくその死亡率は極めて高く,敏速なしかも適切な処置が必要である.従つて今回は食道出血中この食道静脈瘤出血の対策について,われわれの若干の経験と文献的考察をもとに記述したい.
掲載誌情報