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特集 手術と出血対策Ⅰ
大血管手術における出血対策
著者: 浅野献一1
所属機関: 1新潟大学医学部胸部外科
ページ範囲:P.241 - P.244
文献購入ページに移動大血管手術の成否は出血のコントロールにかかつているといつて過言でない.他の部位の手術と異なり,大血管,心臓手術では急速かつ大量の出血を来たす場合があり,直ちに致命的となることもあり,大出血—大量輸血—血液凝固障害—大出血という悪循環に陥る危険もある.術中の心停止で最も予後の不良な原因は大出血によるものである.
止血法,出血対策は本来外科の基本的手技であり,また症例ごとあるいは部位ごとに相違もあつて,箇条書きに記述することは困難であるが,凡そ次のような事項について説明する.大血管手術の基本的手技,大出血に対する予防手技,大出血の止血手技,補助的手技などである.ここでは全身的に投与される止血剤の効果や,ショック対策などについては触れないこととする.
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