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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科25巻4号

1970年04月発行

雑誌目次

特集 心臓と血管の外科 カラーグラフ

SAM弁の臨床

著者: 新井達太

ページ範囲:P.440 - P.443

SAM弁を使用してから3年7ヵ月が経過した.その間に心研では127例のSAM弁置換が行なわれ,本邦では約200例に置換手術が行なわれている.大動脈弁に最初に置換した患者は3年7ヵ月の現在,普通の人と同じ勤務をしている.Ball弁やDisc弁からCageをとるアイディアで生れた人工弁であるが,ほかの人工弁とくらべて遜色がないと考えている.カラー写真で術中写真を,白黒で二弁置換した症例をお目にかける.

綜説

術後心合併症の予防,診断と治療

著者: 織畑秀夫

ページ範囲:P.445 - P.451

はじめに
 手術に際して最も重大な危険は患者が手術のために死亡することである.その原因として種々の合併症が挙げられているが,最終的には心停止がくる場合である.心合併症は従来一般には心臓そのものに直接変化のくる場合を対象にしていたので,心合併症の頻度は比較的低いものである.しかしここではやや広い意味に解して,心臓以外の原因で術後に急速に心停止をきたす場合も対象にする.このような心合併症の危険を避けるために昔から多数の外科医が種々研究し,工夫してきたわけである.しかし外科手術のみが患者の生命を救う唯一の手段である場合にしばしば勇気を振つて手術を行なわなければならないことがある.この勇気が蛮勇でないためには,平生の経験と知識の上に患者を救う一つの治療法として患者を思う熱意から発するものでなければならない.そこでもし手術では救い得ないという判断があれば,その手術は行なわれないことが正しいわけである.一般に極めて少数ではあるが,安全と思つて行なわれた手術の後に急変をみることがあり,特に種々の原因による急性心機能低下が問題となる.
 このような術後におこる心合併症について,その予防,診断と治療は,手術の危険防止の上からはなはだ意義のあることであり,かねがね術後合併症の予防に努力しているものの1人として,従来の心臓,肺,小児などの外科の経験を省みて最も重要と思う点を述べてみたいと思う.

手術と心電図,心音図の読み方

著者: 古田昭一

ページ範囲:P.453 - P.461

はじめに
 手術治療は患者に,外科的侵襲をさらに加えての治療であるので,その侵襲度が,患者の状態に比べて大き過ぎても,また侵襲度は小さくても,状態がそれに耐えられない場合,いずれも結果的には手術は失敗であるので,術前検査により,患者の状態を十分把握することは,外科医にとつて手術術式の選択,手術手技の工夫に勝るとも劣らない程重要である.また術中,術後の管理も手術成績を向上せしめる上には忘れてはならない事柄である.
 循環系疾患に限らず,いかなる分野においても手術を契機として突然発生する循環不全,それに伴う低酸素状態,あるいは呼吸不全による低酸素状態,続いて続発する循環不全など,心肺機能の極度の低下は,術中,術後の極めて重要な合併症である.

術後の血栓症の手術

著者: 三島好雄

ページ範囲:P.463 - P.467

はじめに
 一般に術後の血栓症といつた場合には,動脈血行再建手術やSeldinger動脈撮影法などの合併症としておこる血栓,腹部手術後などにみられる下肢深部静脈の血栓性静脈炎などが血管外科治療の対象となつているが,以下に自験例にもとずいてこれらの疾患の手術を中心に述べてみたい.

血管重層縫合法

著者: 曲直部寿夫

ページ範囲:P.469 - P.471

 血管縫合法の手術手技について,稿を求められたが,この問題に関しては,すでに数多くの教科書,文献の発表されているところである.本誌でも昨年10月号から血管外科手技として三島氏の懇切な記載がある.そこで本稿では著者が数年前より試みている血管の重層縫合法について述べたい.
 硬化性動脈瘤の手術に際して,瘤を形成していない部分で瘤を切除し,この部分に代用血管の吻合を行なうのが通常であるが,症例によつては,全身性の粥状硬化が強く,この部分の血管壁がかなり脆弱になつており,また時には,この部に石灰化を認めることがある.さらに,より健常な部位を求めても,全身性の変化がすでに広汎におよびあるいは腹部大動脈瘤においては腎動脈分岐部の末梢と中枢側での手技の複雑性の相違に鑑み,この病変のかなり高度な部分にての吻合を遂行せざるを得ないことをしばしば経験する.

論説と症例

心臓外科の術後管理

著者: 横山正義

ページ範囲:P.477 - P.480

 心臓外科手術後の患者管理の重要性は,従来,強調されていながらも,その仕事内容が,外科医としての本来の道でないため,多かれ,少なかれ,外科医の片手間仕事として,かたずけられてきた傾向がある.
 われわれの病院では,従来,受持医師が,ICU(Intensive Care Unit)で,自分の患者の術後管理も行なつていたが,1969年1月より,ICUを専門化して,手術や病室の仕事から独立させ,ICU勤務の医師はICU専属とした.

二室性三腔心(単心房)の手術経験

著者: 奥信夫 ,   山本善護 ,   広瀬一 ,   長岡豊 ,   南俊之介 ,   沢村献児 ,   川島康生 ,   藤田毅 ,   上田武 ,   近森淳二 ,   大田治幸 ,   中埜粛

ページ範囲:P.481 - P.489

緒言
 単心房は先天性心疾患のなかかでも稀なもので,殊に手術報告例は極めて少なく,現在までの文献上の本邦手術報告例は1-5)7例にすぎない.われわれは本症の3例の手術経験を得たのでその概略を報告し,手術成績を左右する種々の要因について検討を加えたい.

修正大血管転位症の経験(右胸心,心室中隔欠損症,肺動脈狭窄症合併例)

著者: 松浦雄一郎 ,   中村俊吾 ,   島筒志郎

ページ範囲:P.489 - P.494

 修正大血管転位症は,大動脈が心室の前方から出,肺動脈は大動脈の後方にあり,大血管は正常人のように互いに交叉せず,完全大血管転位症に似ているが,心房,心室にも転位があるので機能的には大動脈は酸素化血液を,肺動脈は静脈血液を受けている状態を解剖学的特徴としている.
 著者らは最近,右胸心,心室中隔欠損症及び肺動脈狭窄を合併し,軽度チァノーゼを呈している修正大血管転位症に遭遇し,合併奇形の根治術を行なつたのでここに報告する.

大動脈弁移植に際しての移植弁保存方法について—第1報 保存方法による物理的性質の変化および処理液の殺菌作用

著者: 小林寛伊 ,   池田貞雄 ,   水野明 ,   三枝正裕 ,   井筒正夫 ,   小島俊雄

ページ範囲:P.494 - P.500

 大動脈弁移植は,1955年10月,Murray1)により,無菌的に採取後,生理的食塩水中に36時間保存された同種弁を下行大動脈に移植されたのが最初で,同所移植は,1961年Bigelow2)によつて初めて行なわれ,1962年Ross3),さらに1964年Barratt-Boyes4)により行なわれ,今日では,各地でさかんに同種及び異種大動脈弁移植が行なわれており,その長期成績についても報告されている.しかしながら,新鮮弁については,その採取,保存に関して多大な困難がともない,実用面では,保存弁を使用する方がはるかに容易である.
 現在までに種々の保存方法が報告されているが4-9),まだ確立された方法はない.われわれは,保存弁の物理的性質の変化を,各種保存液について比較検討し,あわせて,保存液の薬理作用をも検討を加えた.

心房中隔欠損症術後に発生せる不整脈およびその治療について—とくに洞房ブロック,房室ブロックに対するステロイドの使用経験

著者: 佐藤成和 ,   阿部忠昭 ,   堀内藤吾

ページ範囲:P.500 - P.504

 最近の心臓外科の発展に伴い種々の心疾患に対して開心根治手術が施行されて好成績が得られている.しかし一方では,術後に発生した調律異常の増加も知られていて,中でも心房中隔欠損症術後の調律異常に関して最も多くの報告がなされている1-3)
 これらの主なるものは,洞房ブロックに伴つた房室調律,房室ブロック,心房細動,心房粗動であるが,その大部分は,数時間ないし数日間の経過で洞調律に移行するか,或いは持続しても予後に大きな影響を与えることは少ない.しかし稀には頑固な徐脈が続く事があり,補充調律が遅れて,Adams-Stokes発作を起すに至つた症例の報告もなされている.

体外環環におけるanoxic arrest法ならびに人為心室細動法—とくに心筋代謝を中心として

著者: 正津晃 ,   山本弘 ,   野沢達郎 ,   勝本慶一郎 ,   井上正

ページ範囲:P.504 - P.513

はじめに
 人工心肺装置を用いて開心術を行なう場合,心内所見を詳細にしらべ確実な手術を行なうため,および空気塞栓防止のために,任意心拍停止,あるいは人為心室細動は必要不可欠の手段である.このため従来つぎのような方法が行なわれてきた.
 (ⅰ)薬液注入法(クエン酸カリ1,2),アセチールコリン3)など)
 (ⅱ)上行大動脈単純遮断法(anoxic arrest)――常温または低体温灌流
 (ⅲ)冷却生食水により心表面より冷却4)
 (ⅳ)選択的冷却冠灌流法5)
 (ⅴ)人為心室細動法6,7)

腹部大動脈瘤破裂の1治験例

著者: 竹内成之 ,   須田英明 ,   梅園明

ページ範囲:P.513 - P.517

はじめに
 腹部大動脈瘤は,腎動脈下位に発生することが多く,近年人工血管置換による根治手術成績は極めて良好とつた.しかし動脈瘤が破裂した場合は,その手術成績は不良で,非破裂と比較して明らかな差がみとめられる.
 本邦においては,破裂動脈瘤の手術報告は一例報告としていくつかみられるが,手術成績を論ずるには症例が少ない15-20).欧米の報告では,腹部大動脈瘤破裂例の手術死亡率はMannick9)らの32%,De Bakey3)らの34%と比較的良好な成績のものもあるが,多くは,50%〜80%で1)2)4)8)10)13),極めて手術死亡率の高い疾患といわざるをえない(第1表).

大腿および膝窩動脈に発生した動脈瘤の1治験例

著者: 渡部三喜 ,   大原到 ,   大内博

ページ範囲:P.517 - P.522

はじめに
 下肢動脈より発生する動脈瘤は大腿動脈瘤及び膝窩動脈瘤が大部分を占めており,多くは単独に発生してくる.本症は欧米に於ては報告例が多く1-7),成因,診断,合併症,治療法についても詳細な検討がなされている.われわれは最近,一側大腿動脈と膝窩動脈に同時に発生した動脈硬化性動脈瘤を経験し,外科的治療を行つたのでこれを報告し,あわせて最近8年間(1961〜1968年)の大腿膝窩動脈瘤の本邦報告例につき文献的考察をおこなつた.

動脈血行再建手術の成績

著者: 高雄哲郎 ,   小野木宏 ,   内木研一 ,   飯野三郎 ,   大岩郷樹 ,   熊谷太郎 ,   日比行雄 ,   城所仁 ,   松永吉和 ,   竹内忠孝 ,   神谷喜作

ページ範囲:P.522 - P.531

 血管外科は,近年,目覚ましい進歩をとげ,各種の術式が確立され,優秀な移植材質が得られるようになり,数多くの手術症例が報告された現在,再検討の時期に入ったものと思われる.名古屋大学医学部第一外科教室では,古くより,血管外科の臨床,研究にたづさわつてきたが,このような時に,血行再建術の統計的観察を行なうことは,有意義であると考え,昭和30年以降,われわれの教室,または,関連病院で,施行された動脈系の血行再建術症例232例を集計し,退院患者の昭和43年3月現在の遠隔成績を,アンケートにより調査したので報告する.ここに含まれる症例は,閉塞性ないし,狭窄性動脈疾患の他,動脈瘤などを含めており,血流正常化を試みた動脈への直達手術を,血行再建術と呼んでいる.

膝窩動脈閉塞症(Bürger氏病)に対する動脈再建術

著者: 大原到 ,   大内博

ページ範囲:P.531 - P.537

はじめに
 末梢循環不全を来たす慢性動脈疾患のうち日常もつとも多く遭遇するのは閉塞性血栓性血管炎及び動脈硬化症である.近年わが国でも動脈硬化症が増加してさるというものの,依然として閉塞性血栓性血管炎が多い1)2)3).本疾患によつて起こる種々の症状の中で頻度が高いのは疼痛,難治性潰瘍及び冷感である.これに対する治療法としては従来より交感神経切除術及びLeriche手術が実旋されてきた.一方欧米より末梢動脈再建術の成績が報告される4)5)とともに,わが国でも直接閉塞せる主動脈を再開せしめるか,あるいは閉塞部の短絡手術を行なうか,いずれかの報告がみられるようになってきた.しかしながら直接的血管手術の施行例は数も少なく,また成績も満足すべきものではない.これは欧米の例は主として動脈硬化症を対象としてるのに対し,わが国では閉塞性血栓性血管炎に属するものが多いからであろう,われわれは閉塞性血栓性血管炎による膝窩動脈の部分的閉塞に対して手術を行ない,興味ある結果を得たので報告する.

Leriche syndromeに対する血行再建術

著者: 田辺達三 ,   川上敏晃 ,   高木正光 ,   横田旻 ,   田村正秀 ,   町田荘一郎 ,   清田典宏 ,   山田隆

ページ範囲:P.537 - P.543

はじめに
 Leriche症候群は腹部大動脈分岐部から両側の総腸骨動脈にかけて慢性の狭窄,閉塞をきたし,両下肢および内腸骨動脈領域に循環障害を示すものである.Leriche(1940年)の当初の記載では比較的若い男子において,腰,臀,大腿部などの鈍痛,倦怠感,筋萎縮が両側にみられ,間歇性跛行,下肢の蒼白化,脈搏の欠如,勃起不能などを主徴するもので,下肢末梢部の栄養障害が少なく,原因として動脈炎があげられている.しかし今日では症例の累積とともに,閉塞の状態によつて症状に変異があり,原因も動脈硬化によるものが多いと考えられ,慢性,両側性の腹部大動脈分岐部狭窄,閉塞をすべてLeriche症候群と呼んでいる.
 本症候群の報告は本邦ではいまだ少ないが,われわれは本症の3例を経験し,その血行再建術を行なつているので,その外科的治療を中心に,文献的考察を加え報告する.

医原性動脈閉塞症

著者: 粟根康行 ,   古瀬彰 ,   上野明

ページ範囲:P.552 - P.556

はじめに
 最近の治療および診断技術の進歩は目ざましいものがあり,従来不治とされてきた多くの患者が光明を見出してきている反面,複雑な操作につきものの不幸な合併症に悩む人も増えていることも見逃せない事実である.これは報告されることなく葬られていることがしばしばある.
 本稿ではとくに心臓手術および心臓・血管撮影のさいのカニュレーション,およびカテーテル法に伴う動脈閉塞を東京大学木本外科,第二外科,胸部外科の症例について頻度および治療成績を検討し,予防ならびに治療について考察を行なつたので報告する.

鎖骨下・腋窩静脈閉塞—自験10例を中心に

著者: 三島好雄 ,   坂垣潔 ,   轟敬 ,   原啓一 ,   大橋重信

ページ範囲:P.557 - P.561

はじめに
 鎖骨下腋窩静脈閉塞(Subclavian and axillary vein occlusion)は欧米でも下肢の深部静脈閉塞に比して比較的稀とされている.この領域の静脈閉塞は本邦でもPaget-Schroetter症候群などとして知られているが,杉村ら1)の報告にもあるように本邦では稀な疾患であり,従来報告も少なかつたが,動脈疾患や下肢の深部静脈閉塞などと同様に2-5)今後は増加する可能性もあり,また近年外国では本症に対する血行再建手術の適応もとりあげられているので,以下に自験10例を中心として,若干の文献的考察を試みた.

原発性鎖骨下静脈血栓症の手術治験例

著者: 村上忠司 ,   川上敏晃 ,   飯塚栄治 ,   高瀬浩 ,   高橋透 ,   磯松俊夫 ,   杉江三郎

ページ範囲:P.562 - P.567

はじめに
 上肢の深部静脈血栓症は稀な疾患であり,Coon3)らによると15年間,2400例の深部静脈血栓症中,上肢のそれは1.3%である.その多くは悪性腫瘍の浸潤あるいは圧迫によるもの,または心不全に合併してみられている.しかし明らかな原因が認められない場合もあり,これに対して文献上種々の名称がつけられている.すなわちprimayyあるいはidiopathic thrombosis,effort thrombosis,traumatic,so-called traumatic thrombosis,Paget-Schroetter syndromeなどとよばれている.この上肢の原発性深部静脈血栓症の報告は本邦においては極めて少なく,調査した範囲では杉村ら21),紫野ら19)の各1例のみである.われわれは最近その1例を経験し,血栓剔除により好結果を得たので報告する.

Venous gangreneの1例

著者: 阪口周吉 ,   石飛幸三 ,   深見博也 ,   亀田正

ページ範囲:P.568 - P.572

はじめに
 静脈血栓症はわが国においても最近漸次増加しつつあると云われる1)2).本症では臨床的に軽重さまざまの型がみられるが,最も重症のものはvenous gangreneといわれ,あたかも動脈閉塞症のように患肢の壊疽を生じ,極めて予後不良のものである.欧米ではかなりの報告があるが,わが国ではその詳細な報告が全く見当らない.最近著者らは貴重な1例を経験したので,その知見を報告し若干の考察を加える.

静脈再建術の臨床的検討

著者: 神谷喜作 ,   塩野谷恵彦 ,   伴一郎 ,   仲田幸文 ,   高雄哲郎 ,   石黒久雄

ページ範囲:P.573 - P.578

 静脈再建術の成績は,動脈系のそれに比べて一般に不良である.
 原因疾患の病態および静脈系の特殊性から,その血行再建には種々の困難が伴つている.

特発性脾血管破裂の1治験例

著者: 青木春夫 ,   王鉄城 ,   船曳幸彦 ,   角本陽一郎

ページ範囲:P.578 - P.583

緒言
 近年交通機関の発達,産業の発展及びスポーツの普及に伴つて外傷による脾の皮下損傷の症例は増加を示している一方,病的腫大脾に特別な外傷の既往なしに皮下破裂を起すことのあることが報告されている.
 我々は脾腫を伴う腎障害患者にAdrenalinによる脾収縮検査中,特別な外傷なしに脾から出る直径約8mmの副血行の破裂により腹腔内出血をきたし,破裂後約7時間半後に脾腸出術を行い,救命し得た稀な症例を経験したので報告する.

NEWS

腎移植時の組織適合性検査のお知らせ

ページ範囲:P.583 - P.583

 腎移植(生体・屍体)時ドナー選択のための組織適合性検査に必要な血液の採取とその送付方法およびhistocompatibility testing centerの組織化の試みを慶大で行なつており,他施設の検査も引受けているのでその概要を紹介する.
 ①慶大で現在施行しているhistocompatibility testingは原則としてlymphocytoxicity test(HL-A系)で時にmixed lymphocyte cultureを併用する.②lymphocytotoxicity testはNIH tissue typing antiseraを用いることにより世界的なレベルでHL-A系により検討できる特長がある.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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