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文献詳細

雑誌文献

臨床外科25巻4号

1970年04月発行

特集 心臓と血管の外科

綜説

血管重層縫合法

著者: 曲直部寿夫1

所属機関: 1大阪大学医学部第一外科

ページ範囲:P.469 - P.471

文献概要

 血管縫合法の手術手技について,稿を求められたが,この問題に関しては,すでに数多くの教科書,文献の発表されているところである.本誌でも昨年10月号から血管外科手技として三島氏の懇切な記載がある.そこで本稿では著者が数年前より試みている血管の重層縫合法について述べたい.
 硬化性動脈瘤の手術に際して,瘤を形成していない部分で瘤を切除し,この部分に代用血管の吻合を行なうのが通常であるが,症例によつては,全身性の粥状硬化が強く,この部分の血管壁がかなり脆弱になつており,また時には,この部に石灰化を認めることがある.さらに,より健常な部位を求めても,全身性の変化がすでに広汎におよびあるいは腹部大動脈瘤においては腎動脈分岐部の末梢と中枢側での手技の複雑性の相違に鑑み,この病変のかなり高度な部分にての吻合を遂行せざるを得ないことをしばしば経験する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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