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特集 外科領域における感染症
外科領域の感染症に思う
著者: 島田信勝1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学
ページ範囲:P.617 - P.619
文献購入ページに移動 私は卒業して外科医としての第一歩を踏み出してから40年を迎えんとしているが,その間における感染症の変遷は,病像から治療・予後に至るまで,かつては夢想だになし得なかつた大きな変革である.古くから外科学,特に創傷療法は戦争の度に著るしい進歩を遂げるといわれているが,第二次世界大戦後における今日の化学療法の目覚しい進歩はまさに画期的なものといえよう.約3年前第29回日本臨床外科医学会総会が岐阜市で開催された際,創傷処置についてのシンポジウムが行なわれたが,私は特別発言者として文献的調査の結果,創傷療法の時代的変遷を大きく3つの時代に区分して次のように述べた(第1表参照).
第一次世界大戦の前半までは水溶性殺菌剤の研究が盛んであり,創傷の洗滌療法が一般に行なわれておつたようで,保存的療法時代とみることができる.第一次大戦の後半よりいろいろな手術療法と臨床的な工夫がこらされたようであるが,特に目新しぃ殺菌剤の研究はなかつた.ところがDomagk(1935)が発表したProntosilの研究は化学療法の進歩に大きな刺激を与え,この時代は創傷療法の亜積極的時代とみることができる.
第一次世界大戦の前半までは水溶性殺菌剤の研究が盛んであり,創傷の洗滌療法が一般に行なわれておつたようで,保存的療法時代とみることができる.第一次大戦の後半よりいろいろな手術療法と臨床的な工夫がこらされたようであるが,特に目新しぃ殺菌剤の研究はなかつた.ところがDomagk(1935)が発表したProntosilの研究は化学療法の進歩に大きな刺激を与え,この時代は創傷療法の亜積極的時代とみることができる.
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