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特集 外科領域における感染症
外科領域における感染予防と今日の化学療法
著者: 加藤繁次1
所属機関: 1東京歯科大学外科
ページ範囲:P.621 - P.625
文献購入ページに移動はじめに
外科的感染症に対する化学療法といつても,外科領域の感染症は非常に広域にわたり,一言で述べることは困難である,というのはそれぞれの原発部位により疾患が異なつてくることと,同じ部位でも細菌や宿主の状態によつても病像が異なつてくるからである.そこで一般に最も多くの外科医が接する感染症の型を中心として,ある程度各感染症に共通の条件をもつているもののみについて述べることとする.
まず感染の基本としては,古来述べられているごとく,細菌の汚染があり,宿主がその細菌の毒力に抗しきれず発症した場合に,われわれは感染症として注目し,処置を行なうわけで,汚染の無いものについては,炎症があつても大体において治癒するものが多いと思われることから化学療法を必要としないわけで,感染または汚染予防が化学療法剤投与以前に最も重要であると考える.
外科的感染症に対する化学療法といつても,外科領域の感染症は非常に広域にわたり,一言で述べることは困難である,というのはそれぞれの原発部位により疾患が異なつてくることと,同じ部位でも細菌や宿主の状態によつても病像が異なつてくるからである.そこで一般に最も多くの外科医が接する感染症の型を中心として,ある程度各感染症に共通の条件をもつているもののみについて述べることとする.
まず感染の基本としては,古来述べられているごとく,細菌の汚染があり,宿主がその細菌の毒力に抗しきれず発症した場合に,われわれは感染症として注目し,処置を行なうわけで,汚染の無いものについては,炎症があつても大体において治癒するものが多いと思われることから化学療法を必要としないわけで,感染または汚染予防が化学療法剤投与以前に最も重要であると考える.
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