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文献詳細

雑誌文献

臨床外科25巻5号

1970年05月発行

文献概要

特集 外科領域における感染症

Bacterial Shockの臨床

著者: 隅田幸男1

所属機関: 1国立福岡中央病院心臓血管外科

ページ範囲:P.641 - P.649

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はじめに
 感染に伴うshockをbacterial shockという.これは細菌が血流を侵襲することによつて生じる.したがつて,bacteremiaが証明されていなければ,厳密にはbacterial shockとはいえない.
 昨年の本誌に"Bacterial shockの診断と治療"という論文を寄せたばかりであるが,今回あえて筆を執つたのは,最近の調査によつてbacterial shockはわれわれの周囲にも実際に増加しており,多くの医師を手こずらせていることを知つたためである.同時に,本邦におけるbacterial shockあるいはendotoxin shockに関する論文の多くが,欧米でのリサーチ,見聞,文献考察を中心としたものであり,本邦での症例について検討した論文が少ないことが解つたためでもある.したがつて,たとえ20症例でも,菌種同定の判明したbacteremiaとこれに伴うshockの治療成績を報告しておくことは,必ずしも無益なことではないだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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