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特集 外科領域における感染症
肝・膵・胆道系の感染症
著者: 永光慎吾1
所属機関: 1九州大学医学部第1外科
ページ範囲:P.663 - P.666
文献購入ページに移動 肝・膵・胆道系の感染症のうち最も多く且つ重要なのは胆道系の感染であり,肝・膵の感染も胆道感染に由来するもの,または関連があるものが大部分を占めているので,胆道感染を中心に述べる.
胆道系の感染経路には血行性,リンパ行性および胆管逆行性の3経路がある.正常の胆汁には検鏡によつても培養によつても細菌を証明することは出来ない.他方門脈血には培養によつて細菌を証明し得るとされているが,門脈中の細菌は通常は肝の星状細胞の食喰作用などによつて消減されるものと考えられている.しかし肝のある種の状態においては細菌が肝を通過して胆汁中へ出現するようになるものと考えられている。その代表的なものはチフス保菌者にみられる胆嚢胆汁チフス菌感染症であろう.胆道系3感染経路のうち血行性が主か逆行性が主かは説の分れるところであるが,一般的には逆行性感染が主役を演じているものと考えられている.
胆道系の感染経路には血行性,リンパ行性および胆管逆行性の3経路がある.正常の胆汁には検鏡によつても培養によつても細菌を証明することは出来ない.他方門脈血には培養によつて細菌を証明し得るとされているが,門脈中の細菌は通常は肝の星状細胞の食喰作用などによつて消減されるものと考えられている.しかし肝のある種の状態においては細菌が肝を通過して胆汁中へ出現するようになるものと考えられている。その代表的なものはチフス保菌者にみられる胆嚢胆汁チフス菌感染症であろう.胆道系3感染経路のうち血行性が主か逆行性が主かは説の分れるところであるが,一般的には逆行性感染が主役を演じているものと考えられている.
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