文献詳細
症例
脳圧下降剤投与により誘発された急性硬膜外血腫
著者: 早川勲1 益沢秀明2
所属機関: 1東京都立墨東病院脳神経外科 2東京大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.873 - P.877
文献概要
そもそも,ステロイド投与による脳浮腫治療法が確立するまでは,高張溶液の静脈内投与による脱水療法は頭蓋内圧亢進治療の主流をなしていた.特に,尿素3)の著るしい頭蓋内圧下降作用が知られて以来,脳手術後,あるいは脳外傷に対してその使用はなかば常識化された感があつた.尿素に引き続いて,さらに好ましい脳圧下降剤としてマンニットール4)5)が開発され,その臨床経験はこのものをより使い易くしている.現在,脳浮腫治療の根幹は,ステロイドと高張溶液,特にマンニットールであるということができる.しかし,ここで注意すべきことがある.
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