文献詳細
特集 腫瘍の病理と臨床
論説と症例
精神運動発作型癩癇を伴つたCompact psammomaの1例
著者: 若林信生1 青木秀夫2 東健一郎2
所属機関: 1山口大学医学部外科学教室 2小倉記念病院脳神経外科
ページ範囲:P.940 - P.944
文献概要
Holt7)によれば,頭蓋単純X写で脳腫瘍の18%は,その局在が診断できるという.この場合,頭蓋内病的石灰沈着の発見が有力な手がかりとなる,脳腫瘍でレ線学的に石灰沈着を認めるものは多く,その代表的なものとしては髄膜腫,頭蓋咽頭腫,神経膠細胞腫等があげられる.このうち神経膠細胞腫は脳腫瘍の約40%を占めるが,顕微鏡学的な石灰沈着はその1/3にのぼるといわれている19).しかし臨床上レ線写真で石灰沈着が発見されるものは約1096といわれている15).また,同じく神経膠細胞腫でも,その種類により石灰化の発見頻度を異にしており,稀突起性膠細胞腫では50%,星状膠細胞腫では20〜25%となつている17).
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