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文献詳細

雑誌文献

臨床外科25巻7号

1970年07月発行

特集 腫瘍の病理と臨床

論説と症例

精神運動発作型癩癇を伴つたCompact psammomaの1例

著者: 若林信生1 青木秀夫2 東健一郎2

所属機関: 1山口大学医学部外科学教室 2小倉記念病院脳神経外科

ページ範囲:P.940 - P.944

文献概要

 脳腫瘍で癲癇性痙攣発作を伴うものは比較的多く,特に髄膜腫,星状神経膠細胞腫等発育の緩徐な腫瘍に往々見られる.また,これらの腫瘍は主として25歳以上から中年にかけて多くみられるものである.すなわち,これを逆に見れば,晩発性癲癇では必らず脳腫瘍を疑うべきで,教室の波多野の調査によると,教室で診療を行なっだ晩発性癲癇の約1/2近い症例において,脳腫瘍が発見されている.従つて,このような患者を診れば必らず脳腫瘍を念頭に置いて検査を行なうべきである.その場合,最もroutineに行なわれる検査法の一っとして,頭部レ線撮影がある.
 Holt7)によれば,頭蓋単純X写で脳腫瘍の18%は,その局在が診断できるという.この場合,頭蓋内病的石灰沈着の発見が有力な手がかりとなる,脳腫瘍でレ線学的に石灰沈着を認めるものは多く,その代表的なものとしては髄膜腫,頭蓋咽頭腫,神経膠細胞腫等があげられる.このうち神経膠細胞腫は脳腫瘍の約40%を占めるが,顕微鏡学的な石灰沈着はその1/3にのぼるといわれている19).しかし臨床上レ線写真で石灰沈着が発見されるものは約1096といわれている15).また,同じく神経膠細胞腫でも,その種類により石灰化の発見頻度を異にしており,稀突起性膠細胞腫では50%,星状膠細胞腫では20〜25%となつている17)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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