文献詳細
特集 腫瘍の病理と臨床
論説と症例
文献概要
はじめに
同一個体に2個以上の悪性腫瘍がそれぞれ独立して存在するいわゆる原発性多発癌は臨床的にも必ずしも少なくないことは諸家の報告から明らかである.そのうちでも,消化器癌同志の組合わせが最も多い事実1)2)は癌の病態生理の解明の上からも興味ある問題である.
われわれの教室では5例の消化器系多発癌を経験しているが,「多中心性に発生した腸管細網肉腫症」を教室石垣らがすでに発表3)しているので,ここでは他の4例を報告し,若干の検討を加えてみたい.
同一個体に2個以上の悪性腫瘍がそれぞれ独立して存在するいわゆる原発性多発癌は臨床的にも必ずしも少なくないことは諸家の報告から明らかである.そのうちでも,消化器癌同志の組合わせが最も多い事実1)2)は癌の病態生理の解明の上からも興味ある問題である.
われわれの教室では5例の消化器系多発癌を経験しているが,「多中心性に発生した腸管細網肉腫症」を教室石垣らがすでに発表3)しているので,ここでは他の4例を報告し,若干の検討を加えてみたい.
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