文献詳細
特集 腫瘍の病理と臨床
論説と症例
男子乳癌の2症例(Diffusion Chamber応用による予後判定の可能性)
著者: 伊藤元明1 辻公美1 宮本宏1 山下久雄1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部放射線医学教室
ページ範囲:P.1077 - P.1081
文献概要
1963年より1965年に至るUICCの企画にもとづく本邦乳癌調査集計によれば,女子乳癌は2727例,男子は28例となり男子乳癌は全乳癌の約1%を占めることになる.本邦においては,現在までのところ岡本13),鈴木19),荒瀬1),泉雄23)の報告および昭和43年度日本臨床外科学会総会の報告を加えて推計してみると未だ120数例に過ぎない9)22).
女子乳癌のHormon依存性,なかんずくEstrogen依存性に関しては多くの研究,調査発表があるが,全乳癌中の約1%を占めるに過ぎない比較的稀な男子乳癌のHormon依存性に関する研究は極めて稀である.
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