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文献詳細

雑誌文献

臨床外科25巻8号

1970年08月発行

特集 縫合糸の問題点

腸線と合成糸の得失

著者: 島文夫1

所属機関: 1東京大学医学部第2外科教室

ページ範囲:P.1181 - P.1186

文献概要

はじめに
 縫合糸,結紮糸は手術に欠くことのできない材料の一つである.歴史的にみても,出血や創傷の処置に縫合材料surgical suture materialが用いられたのは紀元前からのことである.
 腸線(surgical catgut)は,西暦200年頃から存在したらしい.1840年頃,腸線は優れた縫合材料として強調されてはいるが,無菌思想がおよばず,感染の問題が解決されなかった.1860年代,無菌手術を始めたListerによつて腸線が用いられたが,感染の問題は満足すべき結果が得られなかつた.Listerはまた,クロム酸に浸漬して吸収の遅い腸線をも使用した.これが現在使用されているクロミックカットグット(chromic catgut)の初めであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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