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特集 術後早期の再手術
術後再手術のための術前準備,術中麻酔ならびに術後管理
著者: 砂田輝武1 佐々木澄治1 横田晃和2 平川方久2
所属機関: 1岡山大学医学部第外科学教室 2岡山大学医学部麻酔学教室
ページ範囲:P.1305 - P.1315
文献購入ページに移動最近の外科的適応範囲の拡大は,術後早期の再手術の対象をも必然的に多岐化してはいるものの,一方,再手術自体による救命率も,新しい抗生剤の開発や,呼吸管理,輸液などを含めた一般術後管理の進歩によつて高められていることは否定できない.この結果から,われわれは,再手術自体を,ややもすると安易に考えがちであるが,再手術は,たとえそれが容易なものであつたとしても,その患者や家族に対しては,深刻な精神的肉体的打撃を与えるものである.また,再手術は,そのさまざまな病態から,豊富な知識と経験にもとずく速断力と高度な技術を要するものである.これらのことを念頭において,われわれは,手術,術後管理ひいては再手術にあたらねばならないと思う.
術後合併症としてはいろいろなものがあげられるが,再手術の対象としては,術後出血および消化管の通過障害がもつとも多いもののようである.したがつて,本項ではこの2項目について重点的に述べていきたい.
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