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特集 これからの外科
癌の化学療法の進歩—制癌剤—手術との併用療法
著者: 近藤達平1 市橋秀仁1
所属機関: 1名古屋大学医学部第二外科
ページ範囲:P.69 - P.77
文献購入ページに移動 近年外科手術の技術や患者の術前術後処置また早期診断技術が非常に進んできたが,癌の治癒率は胃癌の手術成績の統計をみても,この20〜30年間あまり進歩しているとは思われない.第1表は1930年頃の手術例の5年生存率と1960年頃のそれとを比較したものである1-7).すなわち癌患者が外科手術によつて一時的によくなつても長期生存が延びない理由は,癌は普通診断が確定された時にはすでに全身的疾患となつているからと思われる.外科手術も放射線療法も局所療法であつて原病巣はたとえなくなつても遠隔病巣が残つておりこれが再発して死因となるからであろう.それ故にもつとも合理的な方法は外科手術に併用して全身を対象とした療法,すなわち化学療法,あるいはホルモン療法・免疫療法等を行なうことであると思われる.
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