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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻10号

1971年10月発行

最近の麻酔

高齢者麻酔の問題点

著者: 河口太平1

所属機関: 1東京逓信病院麻酔科

ページ範囲:P.1587 - P.1594

文献概要

はじめに
 高齢者とは,加齢により循環系・呼吸系をはじめとする全身の生理機能,ことにその予備力の減退した状態の人である,と定義できよう.したがつて,高齢者に対する麻酔・手術のリスクは高いと,一般に考えられており,現在なお,患者および外科医の双方から,ことにその選択的手術は敬遠されがちであるのも,無理はないと考えられる.しかし一方,高齢者に対する救急手術の術後死亡率が異常に高率であることも指摘されるところで1)2),でき得るならば,選択的手術を多くして救急手術を少なくすることが望ましいと思われる.高齢者の生理解剖的変化をよく理解し,適切な術前術中術後管理により,重要生理機能をうまく維持することができれば,高齢者の麻酔・手術は必ずしも危険この上ないものではないかもしれない.以下,私どもの日常の経験を中心に,問題点を若干考えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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