文献詳細
論説
門脈圧亢進症に対する剔脾—脾—腎静脈吻合との遠隔成績の比較検討による剔脾の適応
著者: 青木春夫1 船曳孝彦1 角本陽一郎1 羽鳥俊郎1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室
ページ範囲:P.1597 - P.1606
文献概要
わが国の門脈圧亢進症に対する治療は,減圧効果がすぐれていることから門脈系—下大静脈系吻合による減圧手術が一時期盛んに推奨され,行なわれていたが,遠隔成績上肝硬変症に対しては術後脳症の発現率が高いことから,肝硬変症に対する門脈—下大静脈端側および側々吻合には批判的となり4)14-17),最近数年前からは肝硬変症に対しては経胸的食道離断術,近位胃切除術など,門脈圧を減じないで食道静脈瘤への血行遮断を目的とした術式を推奨しているものもある18)19).
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