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症例
腸管の非上皮性悪性腫瘍の2例—消化管非上皮性腫瘍の統計的観察
著者: 山際裕史12 稲守重治3 大西武司3 竹内藤吉3
所属機関: 1三重県立大学医学部病理学教室 2三重県立大学医学部中検病理 3伊勢市立総合病院外科
ページ範囲:P.1647 - P.1652
文献概要
消化管に発生する腫瘍の大半は上皮性のものであり,非上皮性のものはいずれの部分においても比較的まれである.腫瘍は組織源となるものがあれば,いかなる部分からでも発生し得るにもかかわらず,臓器,組織によつて,その発生頻度を著しく異にする.消化管では,平滑筋由来のものがその大半(非上皮性腫瘍の)を占め,リンパ節由来のものがこれにつぎ,結合織,脂肪織由来のものがこれにつぐ.しかしながら,これら各腫瘍にあつても,部位によつて,その頻度がかなり異なる.腸管では,非上皮性腫瘍は小腸末端部に,上皮性腫瘍は大腸に多いという傾向がある.
本稿では,消化管の非上皮性腫瘍の統計的観察と,とくに腸管の非上皮性悪性腫瘍についての若干の考察を加えることとする.
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