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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻11号

1971年11月発行

特集 小児外科の焦点

ヒルシュスプルング氏病—誌上シンポジウム

ヒルシュスプルング病の生理学的診断

著者: 鈴木宏志1

所属機関: 1東北大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1713 - P.1718

文献概要

はじめに
 典型的なヒルシュスプルング氏病の診断はさほど困難でない.生後まもなくから始まる頑固な便秘と腹部膨満,繰り返してあらわれるイレウスあるいは腸炎症状は本症に特徴的である.肛門指診の結果"tight"で空虚な直腸,肛門管が証明されれば,ヒルシュスプルング氏病の可能性は一層高い.肛門指診直後に多量の排ガス,排便がみられることもしばしばある.バリウム注腸によつて狭小部と,それにつづく移行部,膨大部がみられれば診断はほとんど確実である.直腸生検による病理組織学的診断が必要な症例はむしろまれである.
 これに対して非定型的な症例,たとえば最近話題となつているshort segment aganglionosis-megarectum症例,あるいは浣腸などによつて良く管理され,明瞭な巨大結腸像のあらわれていない症例に,理学的診断,レ線検査のみでヒルシュスプルング氏病の診断を下すのは容易でない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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