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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻11号

1971年11月発行

特集 小児外科の焦点

ヒルシュスプルング氏病—誌上シンポジウム

ヒルシュスプルング病の手術—Z型術式と肛門直腸筋切除

著者: 池田恵一1

所属機関: 1九州大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1731 - P.1734

文献概要

Ⅰ.治療方針
 最近,根治術式の改良,手術の熟練に伴い,根治手術の時期が早くなつてきたのが,各国共通の傾向であるが,われわれの術式も,比較的手術侵襲が少なく短時間で手術が終了することから,できれば早期に1次的に根治手術を行なうことを原則としており,安全な年齢として一応生後3ヵ月以上,体重6kg以上の症例におこなつている.しかし,それ以下の年齢にも全身状態良好例では行なつた経験がある.最近のわれわれの根治手術を行なつた症例を見ると,1〜2ヵ月8例,3〜5ヵ月13例,6〜11ヵ月11例となつている(第1表).
 このように比較的早期に根治手術を行なうため,新生児期の本症に対して,全例にcolostomyを行なうことはしない.便秘,腹部膨満,嘔吐等を示す本症患者に対しては,まず浣腸排気,腸洗を入念に行なつて症状の寛解を計り,保存的療法が可能か否かを確かめる.かかる保存的療法が奏効せず,依然としてイレウス症状の持続するものに対してのみcolostomyを行なつている(第1図).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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