文献詳細
特集 小児外科の焦点
ヒルシュスプルング氏病—誌上シンポジウム
ヒルシュスプルング病の手術—われわれのいわゆる駿河法について
著者: 尾崎元1 駿河敬次郎
所属機関: 1順天堂大学医学部小児外科教室
ページ範囲:P.1735 - P.1738
文献概要
ヒルシュスプルング氏病の治療に関して画期的な手術が1948年Swensonにより報告されたが,この術式にもいくつかの問題点があり,その後これらの改良を目的としてDuhamel法(1957年)をはじめ種々の術式が考案され,わが国でも池田氏法などすぐれた手術が発表されてきた.
われわれが1960年から1970年まで賛育会病院および順天堂医院で経験したヒルシュスプルング氏病は86例で,このうち69例に根治手術を施行した.施行された術式は,いわゆる駿河法39例,Duhamelおよびその変法23例が主なものであり,その手術成績は第1表のごとくであつた.いずれの術式も採用初期の頃には合併症がみられたが,これは術式に対する不慣れや,管理上に問題があつたと考える.しかし,駿河法の最近になつて改良された術式については見るべき合併症もなくきわめて良好な成績を得ている.
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