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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻11号

1971年11月発行

論説

四肢の急性動脈塞栓症と外科治療

著者: 田辺達三1 久保良彦1 太田里美1 横田旻1 橋本正人1 杉江三郎1

所属機関: 1北海道大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1771 - P.1775

文献概要

はじめに
 四肢の急性動脈塞栓症は突発的に発症し,四肢のみならず,生命の危険をも危うくする重大な救急疾患である.最近本症は増加しているといわれているが,それには平均寿命の延長による高齢層の増加,血管心疾患の増加,人工弁移植症例の増加などが考えられている.したがつて本症の治療法については古くから種々検討されてきており,今日では早期診断による早期の塞栓摘除術が基本的方針として強調されてきている4,20).しかし高齢者で,心疾患をもつ症例に発症することが多く,緊急手術を要する関係から,塞栓摘除術の手術成績は,とくに本邦においては満足すべきものではない1,5,12,18)
 われわれが最近扱つた症例は10例で,いずれの例にも塞栓摘除術を施行しているが,適切な手術時期を失し,高齢者で,高位閉塞例も多く,その成績は不良である.ここにこれらの症例を検討し,本症の診断,治療について論じ,治療成績の向上のための要点について考察してみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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