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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻11号

1971年11月発行

文献概要

症例

腎移植患者に発症した腹膜炎—3症例

著者: 木内政寛1 岩崎洋治1 雨宮浩1 岡村隆夫1 横山健郎1 小越章平1 佐藤博1

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1811 - P.1817

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はじめに
 臓器移植後は免疫抑制剤の使用によつて,多少にかかわらず各種の臓器が障害をうけるが,そのひとつのあらわれが感染症に対する抵抗力の減弱である.
 さきに,クリプトコッカス髄膜炎10),クリプトコッカスによる肺膿瘍,肺結核など腎移植後に併発した症例について報告したが,今回は腹膜炎を併発して死亡した3例について述べる.これら3例の死亡例はそれぞれ異つた原因で腹膜炎が発症し,それぞれ一般外科の常識からは想像しがたい経過をたどつた.現在われわれの腎移植例は生体腎移植5例,死体腎移植11例であるが,そのうち死亡した7例中拒絶反応で失つた症例は1例にすぎない.これに反し,感染症では本稿での対象例である3例とすでに報告した移植後3年4カ月目にクリプトコッカスの肺膿瘍,脳膜炎,敗血症で死亡した計4例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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