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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻12号

1971年12月発行

文献概要

論説

乳癌とホルモン

著者: 山本泰久1

所属機関: 1岡山大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1955 - P.1962

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はじめに
 乳癌と内分泌因子に関して過去多くの研究がなされてきたが,基礎的,理論的知見がえられたのは1950年以後のことで,それまでの乳癌に対する内分泌療法は経験的なものにすぎず,現在なお臨床医は乳癌の内分泌療法をいかにすべきか暗中模索を続けているのが真相かもしれない.
 乳癌のみならず癌の内分泌療法は実に多くの問題を含んでおり,生体内のホルモンバランスと癌の発育環境を知りえて初めて適切な治療法を選びうるのである.一般に知られているestrogen,androgen,corticosteroid,progesteroneのようなsteroid hormoneから,それらの分泌を支配する下垂体ホルモンやneural hormoneさらには甲状腺ホルモンなど直接あるいは間接に乳癌に関与すると考えられているが,その個々のものは生体内でさらに他のホルモン分泌と相関関係をもつため,全貌を知ることは不可能に近いものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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