icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻3号

1971年03月発行

講座・3

腹部外科と動脈撮影—Ⅲ.膵疾患,ことに影像よりみた膵癌の予後

著者: 鈴木敞1 川部克己1

所属機関: 1京都大学医学部第1外科

ページ範囲:P.499 - P.507

文献概要

はじめに
 早期診断のむずかしさ,憂慮すべき遠隔成績,切除術式の煩雑さなどからみると,膵癌も前回でふれた肝癌と軌を一にしている.それだけに動脈撮影の膵疾患の診断および治療上における役割は無視できぬものがある.
 膵癌のときに示される動脈撮影像については本邦ではすでに田坂1)2)らをはじめ諸氏により十分に特徴づけられた.本稿ではこの動脈撮影法の更に一歩すすめた形での臨床的応用をはかるべく,撮影により示される膵動脈枝を膵内分枝,膵密接分枝,膵周辺分枝に3分し,それぞれの浸潤性変化によって示される病巣の拡がりに応じて,膵癌を4群に分類,各群の切除率や予後との関連を検討した.また膵癌初期診断の可能性やその血管構築に言及し,膵疾患診断における動脈撮影法の価値を他の診断技法と比較検討してみた.その結果,動脈撮影は単に膵疾患の診断のみならず,膵癌の手術適応や予後判定の上にも多くの知見を与えていることが判明した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら