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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻4号

1971年04月発行

特集 外科とくすり—副作用と適正な使用法

鎮痛剤・鎮静剤の使用法

著者: 綿貫喆1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第一外科

ページ範囲:P.601 - P.609

文献概要

はじめに
 「いたみ」とは,きわめて不愉快な感覚であつて,ある意味では生体防衛の性格をもつているものといわれている.何らかのいたみを起こす原因があつて,それが神経機構を介していたみの感覚として意識され,これにたいして「痛い」と言葉で現わしたり,またさらにそれから逃がれようとする種々の生体反応を示すものである.恐らく人類が始まつて以来われわれの祖先が経験してきた感覚であろうと思われ,一方人類はこの疼痛からのがれようとする試みを語り伝え,あるいは経験によつて,疼痛をしずめる工夫が行なわれてきたものと思われる.
 疼痛は古くからある感覚ではあるが,そのしくみが現在全部解明されているわけではないらしい.疼痛の発生メカニズムについても,古くからSpecificity theoryあるいはPattern theoryさらにGate control theoryなど種々の学説が唱えられ,また一方ヒスタミン,アセチールコリン,セロトニン,ブラジキニンなどの発痛物質に関する研究もさかんに行なわれるようになり,疼痛のしくみの本態に関してもさらに明らかになることであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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