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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻4号

1971年04月発行

特集 外科とくすり—副作用と適正な使用法

凝固剤使用の実際

著者: 前川正1

所属機関: 1群馬大学医学部第二内科

ページ範囲:P.635 - P.641

文献概要

はじめに
 凝固剤とは止血薬のうちで血液凝固系に主作用を及ぼすものと解釈した上で議論を進めてみたい.出血とは血管壁の破綻や透過性の変化により赤血球を含む血液成分が血管外に浴出した状態をさす.血管壁透過性の正常化や,止血血栓の形成による破綻部の閉塞等で出血がとまつた状態が止血である.止血には血管壁のほかに血小板や血液凝固が関与するが,これらの反応過程の研究は近年著しく盛んとなり,特に血小板および血液凝固の止血血栓形成における役割りについては詳細な検討が行なわれており,その全貌が漸く解明されようとしている.止血薬とはこれらのいずれかを介して止血過程を促進する薬剤であるので,その作用機序によつて区分するのが最も合理的である.このように考えると凝固剤の止血薬における位置は理解し得る.しかし,止血薬の中にはその作用機序の不明確なものもあるので現実には止血薬を作用機序に従つて区分することはあまり行なわれていない.しかし,これらのうちから凝固剤と分類し得るものをぬきだして,その使用の実際について各論的あるいは総論的にふれてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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