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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻4号

1971年04月発行

文献概要

最近の麻酔

尿毒症をともなつた患者の麻酔

著者: 白鳥倫治1

所属機関: 1日本大学医学部麻酔学教室

ページ範囲:P.679 - P.687

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緒言
 尿毒症とは生体の現在の代謝と腎機能との間の動的な不均衡によつて生じた全身的な症候群をいう1),こうした腎機能の急激な廃絶は種々の原因によつて起こる2).尿毒症を伴う患者は血流動態および電解質の異常が著明なため麻酔管理には困難な点が多い.また,急性心停止,肺合併症などの重篤な合併症の発生頻度も高く,麻酔方法の選択いかんが,これら合併症をさけるために重要となる3).腎臓の機能が正常に働いていても麻酔や手術侵襲により,ある程度低下する事実からしても腎機能障害を有する場合には麻酔方法の選択に深く注意を払わなければならない.近年腎不全患者に対して積極的に腎移植術による治療が行なわれるようになり,また緊急手術などで尿毒症を伴つていても手術を余儀なくされる場合も多く,こうした場合,いまだ確立された麻酔方法はなく,それぞれのケースに適合した最良の麻酔を選択しなければならず,麻酔方法としてはむつかしい問題の一つである.われわれはここに経験した症例を検討して尿毒症患者の麻酔方法について老察を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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