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特集 手術とその根拠・Ⅰ
食道癌の手術とその根拠—術前照射,胸部食道癌の手術
著者: 掛川暉夫1 中山隆市2 都築俊治3 有森正樹4 渡辺寛5
所属機関: 1国立東京第二病院外科 2平塚市民病院外科 3慶応義塾大学医学部 4慶応がんセンター 5愛知がんセンター
ページ範囲:P.737 - P.741
文献購入ページに移動1913年Torekが胸部食道癌の手術に成功して以来,Garlock,Sweetらまたわが国においては中山,桂,赤倉らの努力により食道癌の手術死亡率は著しく減少してきた.その結果現在においては遠隔成績向上に関する努力が各施設で払われるようになつてきた.食道癌の治療成績を向上させるためにはまず早期発見,早期治療がもつとも重要であることは当然であり,すでにわが国において約30例の早期食道癌手術例を得るまでにいたつている.
しかし日常われわれが治療の対象としている症例は,いぜんとして進行癌が多く,治療成績を向上させるためには,放射線療法等の助けを借りざるを得ない場合が多い.したがつて食道癌の手術術式を検討する場合にはこれら放射線療法の影響を考えた術式の選択が必要となる.そこで今回,術前照射手術例の病理組織学的検討の結果より得られた知見をもとに術前照射手術例に適した手術術式について述べてみたい.
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