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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻5号

1971年05月発行

最近の麻酔

破傷風患者の管理と治療—とくに呼吸管理について

著者: 鈴木紘之1 鳥居有人1 阿部光正2 山下九三夫2

所属機関: 1国立東京第一病院外科 2国立東京第一病院麻酔科

ページ範囲:P.793 - P.803

文献概要

緒言
 わが国において年間の破傷風の発生数は1000〜1500名程度であるが,危険な疾患であり高い致死率をもつた疾患である.たとえ救命し得るとしてもその治療には非常な困難を伴う.急性,亜急性呼吸不全,心停止が破傷風のおもな死因でありこれは気管切開,筋弛緩剤を用いた人工呼吸,心停止の予防,さらに最近治療の当初から麻酔科医の協力をも得られることから致命率が減少しつつある.しかしながら破傷風という疾患が危険な疾患であるということにはかわりがなく「破傷風は危険な疾患である.それは患者数が多いからではなく逆に少ないから危険である.めつたに患者が来ないから治療方針もたてにくいし,どんな方法がよいものか十分に経験をもつことができない.一つの病院に破傷風の治療について十分な経験と知識をもつた医師はまれにしかいないし,病気自体が高い致死率をもつた疾患である」,というSch-lesingerのことばは現在もそのまま通用するのである.
 国立東京第一病院において,最近人工呼吸器を用いて全治退院した重症破傷風患者例の症例をも含めて,破傷風患者の治療とくに呼吸管理について述べてみる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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