icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻5号

1971年05月発行

講座・5

腹部外科と動脈撮影—Ⅴ.撮影法の改良と動脈カテーテル法による癌治療

著者: 鈴木敞1 川部克己1

所属機関: 1京都大学医学部第1外科

ページ範囲:P.805 - P.816

文献概要

はじめに
 歴史的にみた動脈撮影のあゆみはとりもなおさず造影用カテーテル先端のあゆみでもある.1941年Farinasにより大腿動脈からカテーテルを腹部大動脈に挿入して動脈撮影が試みられて以来,ながらく腹部に関しては大動脈からの造影に甘んじていたのであるが,やがてこの大動脈の第1次分枝までカテーテル挿入が可能となり,この選択的造影が,しかも経皮的方法で簡単に施行できるようになつた.かくして動脈撮影は腹部疾患の新しい診断法として飛躍的な普及をみるに及んだのである.しかしこの方法も固着するにつれ,さらに大動脈から数えて第2次,第3次の分枝までカテーテルの先端をすすめ,超選択的に臓器の一部分のみを明確に造影しようとする方向に,おおかたの耳目は集中しはじめた.こういつた造影法の改良とはまつたく別に,もうひとつの動きとして,本法を通じて造影剤の代りに薬物を注入して消化管出血や悪性腫瘍の治療を試みようとする最近の流れがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら