文献詳細
外科の焦点
胃手術効果判定のための統一アンケート方式の提唱
著者: 岩森茂1 笹尾哲郎1 浜井雄一郎1 石井毅1 大屋正章1
所属機関: 1広島大学原研外科
ページ範囲:P.889 - P.896
文献概要
胃・十二指腸潰瘍を含む良性胃外科的疾患に対する手術法は数限りなく改良がくわだてられてきており,その術後消化機能やreservoirとしての機能保持目的で,またいわゆるpostgastrectomy syndromeと形容される術後の胃機能的〜器質的障害防止目的のために,種々のelective technicが行なわれてきておる.
特に最近では古典的ともいえる胃広汎切除に対抗して,外科的胃・十二指腸疾患の病態を十分みきわめた上での外科,すなわち胃手術に関するphysiological approachなる考え方が擡頭し,保存的胃切除術,迷走神経切断術などの術式が一部の人により好んで応用されるようになつた.しかしその真の優劣に関しては生理的機能の保持はさることながら,残胃〜周辺臓器への新病態の発現やindirect〜late effectが慎重に追求されねばならず,このためには潰瘍原因別,部位別,疾病別に手術法の選択がなされ,これらが一定期間,一定の人々によつて,同一調査方式と判定方式の上にたつて厳正に比較調査が行なわれなければなるまい.
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