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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻6号

1971年06月発行

文献概要

患者と私

「予後」などについて

著者: 高山坦三1

所属機関: 1札幌医大

ページ範囲:P.960 - P.961

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□「予後」とは何か?
 素人ならいざ知らず,医師の,しかも医学者として指導的立場にある人が,医学の用語を誤つて使用されては,これはたいへん困るといわざるをえない.先日も,ある医学雑誌にそのような立場の人が,「予後を悪くする因子」という一小文を掲げてあるので,「予後」を悪くする因子,すなわち疾病の経過の予見(みとおし)を狂わすような因子について書いてあるものと思い,おおいに期待して読んでみたところ,それは,案に相違して,予後を悪くする因子についてではなく,疾病の「経過」を悪くするような因子について述べてあるにすぎないので,期待を裏切られた思いをしたが,ことほど左様に「予後」という言葉の用法は,案外むずかしいのである.
 予後Prognosisという語をはじめて使用したのはヒポクラテスといわれている.あの尨大なヒポクラテスの全典の第25章の「予後」という章には,実に微に入り細にわたつて「予後」について論じてある.そしてそれは確かに「予後」についてである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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