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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻8号

1971年08月発行

文献概要

特集 今日の外傷—外傷患者の初診と初療 Ⅰ.初診時における受傷部位のチェックと全身管理

外傷性ショックとその対策

著者: 玉熊正悦1 石山賢1 菅原克彦1

所属機関: 1東京大学医学部第一外科

ページ範囲:P.1198 - P.1206

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はじめに
 外傷性ショックとは,外傷を契機として突発的に出現する持続的な末梢循環不全の状態であり,これに最も普遍的な役割を演じるものは出血,創傷,ならびに外傷という非特異的な侵襲に対する生体反応である1).しかしショックをもたらした直接の原因が何であつても,一旦ショックという臨床症状が発現するとその後微小循環系に進展する生理,生化学的な変化やこれに対する治療法はかなり類似しているため,今日欧米では外科領域で遭遇する殆んどすべてのショックを"trau-matic shock"の名で総括する人も少なくない1).このような見解は,いわゆるrefractory shockの病態を一元的に把握しようとするショック研究の最近の趨勢からも理解されるが,本稿ではわが国の従来からの習慣に従い,外傷性ショックを狭義に解して直接機械的な外力によつて誘発されたショックだけに限定し,教室の経験例を中心にとりあげる.
 現場から緊急に運搬された重症外傷患者の治療は,まず呼吸と循環に関するvital signの確認から始まる2-6).即ち気道と静脈輸液路を確保して,後に詳しく述べるacute resuscitative treat mentを,寸時のおくれもなく開始せねばならない2-6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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