icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻8号

1971年08月発行

特集 今日の外傷—外傷患者の初診と初療

Ⅱ.頭部外傷

頭部外傷治療法の変遷

著者: 都留美都雄1

所属機関: 1北海道大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1221 - P.1228

文献概要

はじめに
 頭部外傷は,人間の歴史とともに始まつたと考える事ができる.種々の野獣との斗争はもとより,人間同志の争いにおいても頭部外傷は経験されたであろうし,また地震や暴風雨その他の天災地災によつて経験されたものと考えられる.
 そのように,頭部外傷が旧くから経験された人間に対する試練の1つでであつた証拠として,欧州やアメリカ大陸あるいは大平洋の諸島の処々において,新石器時代の人骨の中に,骨折のある頭蓋骨や,骨折の有無にかかわらずに種々の形状の穿頭術の行なわれて頭蓋骨が発見されている.南米ペルーのインカ族において西歴紀元前3000年頃に,頭蓋骨の穿孔術の行なわれた事は,特に有名で,この穿孔術が何らかの治療の目的で用いられたことも認められている.Brocaによるとこれらの穿頭術は主として"痙攣"の治療の目的で行なわれたものと考えられているが,その他は悪魔を除く等の祈祷的な目的のものもあつたと考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら