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特集 今日の外傷—外傷患者の初診と初療 Ⅳ.胸部外傷
心臓・大血管損傷の診断と治療方針
著者: 麻田栄1 岡田昌義1
所属機関: 1神戸大学医学部第2外科学教室
ページ範囲:P.1249 - P.1256
文献購入ページに移動はじめに
戦後26年目を迎えた今日,社会の近代化ならびにスピード化が進むにつれ,戦傷といれかわつて,交通事故をはじめ災害および傷害事件が急激に増加している.胸部外傷の発生頻度は,本邦ではまだ5〜10%と低いが,欧米のそれは30〜40%1)と高く,わが国でも早晩このような情勢になるものと推測される.胸部外傷の中では,胸壁損傷がもつとも多く,次は肺・気管支損傷で,心臓・大血管損傷は第3番目に位しているが,生命の予後と直接関係が深いので,その処置は,迅速かつ確実であることが強く要求される.ここに,少数例ではあるが,著者らの心臓・大血管損傷の経験を紹介するとともに,内外の知見について述べ,本症の診断と治療のための御参考に供したいと思う.
戦後26年目を迎えた今日,社会の近代化ならびにスピード化が進むにつれ,戦傷といれかわつて,交通事故をはじめ災害および傷害事件が急激に増加している.胸部外傷の発生頻度は,本邦ではまだ5〜10%と低いが,欧米のそれは30〜40%1)と高く,わが国でも早晩このような情勢になるものと推測される.胸部外傷の中では,胸壁損傷がもつとも多く,次は肺・気管支損傷で,心臓・大血管損傷は第3番目に位しているが,生命の予後と直接関係が深いので,その処置は,迅速かつ確実であることが強く要求される.ここに,少数例ではあるが,著者らの心臓・大血管損傷の経験を紹介するとともに,内外の知見について述べ,本症の診断と治療のための御参考に供したいと思う.
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