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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻8号

1971年08月発行

特集 今日の外傷—外傷患者の初診と初療

Ⅴ.腹部外傷

消化管破裂の診断と手術方法

著者: 村田勇1 広野禎介1

所属機関: 1富山県立中央病院第1外科

ページ範囲:P.1289 - P.1296

文献概要

はじめに
 近年における交通機関の進歩発展は目覚ましく,自動車の普及とともに,交通量も日々増加の一途をたどつているが,これにともない,交通災害もまた年々激増している.とくに,最近では,各種臓器の合併損傷を伴つたきわめて重篤なる外傷例がふえてきており,社会的にも,かかる傷害に対する根本的な対策の必要性が切望されてきている.
 腹部外傷についても例外ではなく,かかる状況を反映して,年々増加の傾向を示している.われわれも,最近10年間に133例の腹部外傷手術例を経験しているが,ここ2〜3年における腹部外傷の急増はおどろくべきものがあり,昨年1年間だけで,23例の症例を経験した.これら腹部外傷自験例の性別頻度は,男子115例,女子18例と,男子に圧倒的に多く,また,年齢別では,20歳台に最も多く31例,次いで,30歳台,10歳台の順で,青年層に多くみられた.しかし,最近の交通外傷の増加に伴い,小児の発生頻度が高くなつてきていることは注目すべきである(第1図).腹部外傷の発生原因をみるに,交通外傷がもつとも多く61例で,45.8%を占め,次いで,労働災害39例,転落事故14例,暴力によるもの11例,スポーツ中の事故5例となつている(第2図).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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