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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻8号

1971年08月発行

特集 今日の外傷—外傷患者の初診と初療

Ⅴ.腹部外傷 最近の興味ある腹部外傷症例

潜在性疾患と外傷—門脈圧亢進症を伴つていた脾刺創の1例

著者: 大井竜司1 佐野進1 芳賀昭1 黄振地1 佐々木久雄1

所属機関: 1仙台市立病院外科

ページ範囲:P.1305 - P.1310

文献概要

はじめに
 外傷は交通外傷をはじめとし,ますます増加の一途をたどり,損傷が複雑化するとともに,その診断および重症度判断は必ずしも容易ではない.とくに最近話題になつているsilent disease(潜在性疾患)が,損傷臓器の基礎疾患として存在する場合,受傷外力と臓器損傷程度との間に思わぬへだたりがあること,いいかえれば,"minor trauma with major injury"があることに注意しなければならない.われわれは最近silent diseaseとして肝硬変症および陳旧性十二指腸潰瘍が存在し,門脈圧亢進症のために腫大した脾に刺創をうけた症例を経験したので,外傷初診時の注意を喚起する意味において若干の考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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