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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻8号

1971年08月発行

特集 今日の外傷—外傷患者の初診と初療

Ⅵ.骨盤損傷と尿路損傷

骨盤骨折の診断と治療

著者: 真喜屋実祐1 小田武雄1 杉本侃1

所属機関: 1大阪大学特殊救急部

ページ範囲:P.1321 - P.1328

文献概要

 従来,骨盤骨折は外傷のなかでも比較的まれなものとされ,骨折自体も単純で合併損傷の少ない軽症のものが大部分であつた.しかるに近年産業の発達,それに必然的に伴う運搬手段の高速化,大型化により本外傷も確実に増加しつつあり,かつ頭部外傷,胸部外傷,腹部外傷その他の外傷を合併した多発損傷の型を呈した重症のものが多くなつた.したがつて今日の骨盤骨折のなかには,診断,治療の面で従来の考え方では律しきれない問題をかかえたものが多い.大量出血に基づく,ショック等の循環機能不全,胸部外傷を合併した場合の呼吸器機能障害,重症骨盤骨折に伴う骨盤臓器の損傷に対する処置等がそれである,以下主としてこれらの問題について昭和45年1月—昭和46年4月までの,1年4ヵ月間に当科で扱つた17名の骨盤骨折患者の観察結果を中心に述べていきたい.
 年齢は0歳〜70歳(平均36歳)で男子(13例)は女子(4例)の約3倍である.原因は自動車事故によるものが最も多く11例,次いで重量物の下敷きになつたものまたは,はさまれたもの5例で残りの1例は転落によるものである.死亡は3例で死亡率は17%である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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