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文献詳細

雑誌文献

臨床外科26巻8号

1971年08月発行

トピックス

人工透析の適応—最近の変化

著者: 大沢炯12

所属機関: 1済生会中央病院泌尿器科 2慶大病院腎センター

ページ範囲:P.1363 - P.1363

文献概要

 最近数年間といつてもここ3,4年の自験例や同専門の諸家の意見から,あるいは外国誌の傾向からも人工透析の適応は変化をしつづけているもののようである.そもそも透析が,人工腎臓(H.D.)の形で医療の実用に供されたのは,1950年代の初め重篤な外傷性急性腎不全に朝鮮戦線で応用され,目覚ましい成績を挙げたことに始まり,まず急性腎不全に,約10年後には,米国で慢性腎不全にと,その用途を拡大した.一方,もう1つの透析法,腹膜灌流(P.D.)は,これより早く1946年頃までには原則的には実用化され,50年代の初期には,その臨床的応用の実績が一般に発表され,1960年代前半までの普及はめざましいものがあつた.その後,主として所要時間と高い透析効率のゆえに人工腎臓すなわち,血液透析の急速な普及となり,一部では,安価,簡便であるとの理由以外には腹膜灌流が顧みられない程の状態となつていたのがつい最近までの状況である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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