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論説
腸管の癌の臨床病理学的検討
著者: 山際裕史1 竹内藤吉2 大西武司2 稲守重治2 堀英穂2 岡林義弘3 伊東敬之3 西村誠4 大西長昇5 大杉紘5 山崎泰弘5 中川潤5
所属機関: 1三重県立大学医学部病理学教室・中検病理 2伊勢市立総合病院外科 3三重県立大学医学部第1外科 4遠山病院内科 5大西病院
ページ範囲:P.1507 - P.1515
文献購入ページに移動腸管に発生する癌は,胃の場合のそれに比較して,手術成績の良好なことが知られている.その理由のひとつは,胃では特有の低分化型の癌であるadenocarcinoma tubulareがあつて,その修飾型である,浸潤も早く,腹腔内播種をきたしやすいadenocarcinoma(tubulare)mucocellulareがかなりの頻度を占めること,胃炎,胃潰瘍と臨床症状の類似することなどが原因である.胃の癌のもうひとつのtypeは,腸上皮化生粘膜に生ずるもので,その発生,進展の様式が,腸管の癌にかなり類似する.
本稿では,腸管の癌について,発生,進展,臨床所見との関連について,若干の考察を加えたい.
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