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雑誌文献

臨床外科27巻1号

1972年01月発行

文献概要

外国文献

性早熟のみを呈した脳腫瘍,他

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ページ範囲:P.79 - P.79

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 男10歳,女8歳以前に陰毛発育は性早熟(SP)である.SPは種々の疾患でおこり,また脳腫瘍でも起こるが,SPだけで他症状のない脳腫瘍(BT)は稀で,hy-pothalamus-pituitary-gonadという刺激も明かでない.Hung(Am.J.Dis,Child.,121:524,1971)は9歳少年,陰毛発育・陰茎大という主訴が8カ月前からあつて入院したのを報じている.声変り,ニキビもある,腋毛は2カ月前に生じた.身長・体頭・頭囲などの計測は大体正常域.陰茎6.5cm長,径3cm,陰嚢は成人様にシワあり.睾丸3.5×2cm.脳症状,神経症状はない.視力聴力全く正常.血液・尿の化学正常.ホルモンを測定すると尿gonadotropin(−).17Ks 2.3-3.6mg(正常),尿FSH 6-16 muu/24h(正常の75%).血漿テストステロン825ng/100ml(正常0-72ng).つまり下垂体分泌は低く,睾丸内分泌のみ高まつている.脳scan正常,気脳でsaprasellarの腫瘤で側脳室が圧迫されている.両C.A.正常.そこで開頭し右前transventricular ap-proachで進むとMonroe孔付近に灰色,茸状腫瘤あり,Ⅲ脳室に入りこむ.切除.10日後退院.気脳だけで診断されたのも,脳症状がなかつたのも面白い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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