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論説
自動車交通事故による頸部症候群の転帰に関する統計的観察<1>
著者: 木下公吾1 片木良典
所属機関: 1弘仁会共立病院脳神経外科
ページ範囲:P.95 - P.105
文献購入ページに移動はじめに
近年,自動車交通事故の激増とともに,マスコミを中心として鞭打ち損傷という名称が広く用いられ,大きい社会問題となつてからすでに久しい.それにもかかわらず,現在なおもつとも大きい問題の1つは,本疾患が,臨床所見あるいは検査成績からは予後を予測することが困難であつて,実地医家にとつてはなはだ困惑を覚えることでありそれにも増して,本症に対するマスコミの啓蒙が過ぎて誇大に取り扱われ,本症がはなはだ難治なものであり,場合によつては不治でさえあるというごとき不安を一般大衆に与えていることは軽視できない.
なお,鞭打ち損傷と同様の病態,すなわち外傷性頸部症候群は,追突や被追突以外の頭・頸部外傷でも起こつてくるわけである.
近年,自動車交通事故の激増とともに,マスコミを中心として鞭打ち損傷という名称が広く用いられ,大きい社会問題となつてからすでに久しい.それにもかかわらず,現在なおもつとも大きい問題の1つは,本疾患が,臨床所見あるいは検査成績からは予後を予測することが困難であつて,実地医家にとつてはなはだ困惑を覚えることでありそれにも増して,本症に対するマスコミの啓蒙が過ぎて誇大に取り扱われ,本症がはなはだ難治なものであり,場合によつては不治でさえあるというごとき不安を一般大衆に与えていることは軽視できない.
なお,鞭打ち損傷と同様の病態,すなわち外傷性頸部症候群は,追突や被追突以外の頭・頸部外傷でも起こつてくるわけである.
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