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文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻10号

1972年10月発行

文献概要

特集 頸部血管障害

外傷性頸部血管障害

著者: 千ヶ崎裕夫1 大野恒男2

所属機関: 1順天堂大学医学部脳外科 2関東労災病院脳外科

ページ範囲:P.1389 - P.1399

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はじめに
 身体のどの部位の動脈でも,外傷によつて断裂や血栓を生じて,仮性動脈瘤,動静脈瘻,あるいは血管閉塞を発生し血流障害をおこす可能性をもつている.しかし頸部においては,頸動脈および椎骨動脈が脳脊髄の循環を支えている重要な栄養血管であるという特殊性のために,単なる局所的障害ばかりでなく,その血流障害によつて重篤な脳脊髄(主に頸髄部)機能の脱落を残したり,時には生命の危険を伴うことも稀ではない.したがつてこの部の外傷性血管障害については臨床上,診断,治療の面でも他の部位とは違つた特別の考慮が払われなければいけないであろう.
 頭部外部,あるいは頸部外傷のさい直接あるいは間接に外力が頸部血管に作用してひきおこされる後遺症として次の三つが考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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