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症例
Subclavian Steal Syndromeの2治験例
著者: 西島早見1 三木久嗣1 藤井雅義1
所属機関: 1徳島大学医学部第1外科
ページ範囲:P.1455 - P.1460
文献購入ページに移動血管造影法の進歩普及とともに各種臓器の循環動態やその不全状態が明らかにされ,治療法について検討が加えられてきた.
頭蓋外脳血管に起因する脳血行不全は欧米に多発し種種検討が加えられてきたが,多くは総頸動脈や内頸動脈の狭窄ないし閉塞に起因するもので,椎骨動脈の血行不全によるものは比較的少ない1)2).かつ,脳底動脈系血行不全も多くは狭窄ないし閉塞に起因するが,時に鎖骨下動脈起始部(first portion)の閉塞ないし狭窄のために,Reivich3)らのいうreversed blood flow through the vertebral arteryなる現象を起こして脳底動脈不全症状を訴えるSubclavian steal syndromeを呈する場合がある.このSubclavian steal syndromeは欧米では1960年以降すでに500例内外の報告1-8)があるが,本邦では少なく13例の報告9-12)があるにすぎず,かつ手術例は7例にすぎない.私どもは最近2例の本症例に対し外科的治療を加えて良好な結果を呈したので報告するとともに,本症の臨床について文献的考察を試みたいと思う.
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