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特集 末梢血管の外科
急性動脈閉塞症
著者: 高雄哲郎1 大岩郷樹1 内木研一1 矢野孝1
所属機関: 1名古屋大学医学部第1外科
ページ範囲:P.1519 - P.1530
文献購入ページに移動急性動脈閉塞症は,主幹動脈の急激な閉塞によつて,末梢の支配領域に激烈な阻血状態を惹起する疾患で,外科的治療の対象となる主要疾患として,動脈塞栓症,急性動脈血栓症,動脈外傷が挙げられる.これら疾患の多くは,発症後,二次血栓の発生によつて,より高度の血行障害をきたし,短時間に末梢部の壊死を生ずる危険性が大である.さらに全身状態の悪化によつて致命的となる場合も少なくない.したがつて,これらの疾患に対しては,発症後できるだけ早期に診断を確立し,迅速かつ適切な治療を行なわなければならない.本症の外科的治療は,近年血管外科の進歩によつて,手術方法も種々検討され,その治療成績は著しく向上している.ここに,本症の診断と治療を中心にわれわれの経験を交え,最近の動向を概説してみたい.
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