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論説
マイクロ波照射による肝切除法
著者: 逢坂愛児1
所属機関: 1札幌市立病院内科
ページ範囲:P.1739 - P.1746
文献購入ページに移動はじめに
1668年Blanchardによつて肝切除が行なわれて以来,Warivi1),Keen2),Van Prohasa3),Pack4),Brun-schwig5),石山6),本庄7)等によつて肝切除臨床例が報告され,その他,これらに関する多くの輝かしい研究業績があり,この間における抗生剤,麻酔,輸血法等の発展は肝臓外科にも著しい進歩をもたらした.さらに最近に至り,肝疾患の診断も肝シンチグラム,肝動脈造影法,門脈造影法,経皮肝内胆管造影法や,生化学的研究の発展に伴う酵素学的方法,また,α-feto glb.,オーストラリヤ抗原等の進歩著しく治療の実績もその効大なるものがある.しかしながら癌に焦点を置いて考えると,現在種々の検索が行なわれているにもかかわらず,未だその病巣切除が一番的確な治療方法である.一方これらの切除特に脆弱な実質臓器における切除にはさらに安全簡単確実な方法の開発が望まれる所である.肝切除の主要課題の出血制御,また断端の壊死,感染,胆汁瘻等の合併症の対策も一応の技術的解決を見てはいるが,これが実施は多大の労苦を伴い,未だ解決を見ぬ多くの問題がある.
1668年Blanchardによつて肝切除が行なわれて以来,Warivi1),Keen2),Van Prohasa3),Pack4),Brun-schwig5),石山6),本庄7)等によつて肝切除臨床例が報告され,その他,これらに関する多くの輝かしい研究業績があり,この間における抗生剤,麻酔,輸血法等の発展は肝臓外科にも著しい進歩をもたらした.さらに最近に至り,肝疾患の診断も肝シンチグラム,肝動脈造影法,門脈造影法,経皮肝内胆管造影法や,生化学的研究の発展に伴う酵素学的方法,また,α-feto glb.,オーストラリヤ抗原等の進歩著しく治療の実績もその効大なるものがある.しかしながら癌に焦点を置いて考えると,現在種々の検索が行なわれているにもかかわらず,未だその病巣切除が一番的確な治療方法である.一方これらの切除特に脆弱な実質臓器における切除にはさらに安全簡単確実な方法の開発が望まれる所である.肝切除の主要課題の出血制御,また断端の壊死,感染,胆汁瘻等の合併症の対策も一応の技術的解決を見てはいるが,これが実施は多大の労苦を伴い,未だ解決を見ぬ多くの問題がある.
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