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文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻12号

1972年12月発行

論説

吻合部潰瘍の外科的治療について

著者: 青木照明1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第2外科

ページ範囲:P.1747 - P.1753

文献概要

はじめに
 現在,吻合部潰瘍(Stomal ulcer)といえば,消化性潰瘍に対して幽門側胃切除術を行ない,再建術として,胃・十二指腸吻合(BI),または,胃・空腸吻合(BII)を行なつた術後の吻合部に発生した再発潰瘍(recurrent ulcer)を意味することが多い.語源的には,1955年頃迄,潰瘍手術として盛んであつた.胃切除なしの胃・空腸吻合術の術後に発生した空腸潰瘍(jejunal ulcer)を意味していたもので,その後,消化性潰瘍に対する手術術式の変遷に伴い,種々の潰瘍手術の術後潰瘍をも含めて,anastomotic ulcer,marginal ulcer,jejunal ul-cer,recurrent peptic ulcer等と,なんとなく漠然と同義語として使われるようになつてきている.しかし,厳密にいえば,吻合部潰瘍必ならずしも再発潰瘍とはいいがたく,むしろ,潰瘍症の病態を十分に考慮しなかつた結果生ずるIatrogenic Diseaseであるとさえいえる場合もある.例えば,早期胃癌に対する胃切除術後の吻合部潰瘍などは,その典型であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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