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文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻2号

1972年02月発行

文献概要

特集 瘻—その問題点

気管切開ならびにカニューレ抜去困難症

著者: 本多芳男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.171 - P.175

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はじめに
 気管套管抜去困難症とは気管切開を行なつた後,原疾患が軽快して気切口から呼吸をする必要がなくなつたにもかかわらず,カニューレを抜去すると呼吸が苦しくなり,カニューレを抜去できなくなつた状態をいう.これは気切口より上部の器質的変化によつて起こる場合と精神的影響によつて起こることもあるが重要なのは前者の場合である.気管套管(カニューレ)抜去困難症difficult decannulation(dd)は気切合併症としては比較的晩発型に属し,乳児・幼児に起こりやすく,かつ一旦ddに移行すると治療に手をやく始末で終局は喉頭気管の瘢痕狭窄に移行することも稀でない.
 本文の題名はddの治療ということにもなつているが,これといつて良い方法も見当らないので,まず,ddの病因について考察し,ddにならないような気切,そして最後にddに対する目下行なわれている処置法などについて記述を進めてゆきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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