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文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻2号

1972年02月発行

文献概要

特集 瘻—その問題点

合併症としての胆汁瘻の処置と再手術

著者: 若林利重12

所属機関: 1東京警察病院外科 2東大

ページ範囲:P.191 - P.197

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Ⅰ.発生原因と防止対策
 胆汁瘻には内胆汁瘻と外胆汁瘻とがあるが術後合併症として問題になるのは外胆汁瘻である.外胆汁瘻の発生は多くは胆石症の手術に起因しており,胆石症手術後困難症の中でもつとも厄介なものの一つとされている.厄介な理由は胆汁瘻にはしばしば細胆管炎性肝障害を伴い,胆汁瘻の手術そのものが必ずしも容易でなく,さらに手術をしても縫合不全や術後狭窄などもあり予後がよいとはかぎらないからである.
 外胆汁瘻の発生頻度はそれほど高いものではなく私どものところでは最近10年間の胆石症手術510例中3例(0.6%)である.報告者によつて発生頻度にかなり差があり胆石症手術のむずかしさがうかがわれる.しかし手術のやり方如何によつては本合併症の発生頻度をある程度防止できるだろうとも考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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